到着時、貨物全体の1%(5ケースが破損)が見つかりました。
輸出者は、保険でカバーせず5ケースの代金を請求書から差し引くことを提案しました。
輸入者は、流出した油で商品ラベルが変色している30%(150ケース)を請求書から差し引くことを提案しました。
輸出入者間で破損に関しては契約条件に合意していましたが、汚れについての契約がなされていませんでした。
話し合いの結果、『汚れの大きさ1cm四方以内なら良品』基準ができました。
その基準で150ケース全量のラベルを検査したところ、2,858本(119ケース)が汚れという検査結果が出ました。
この結果をもって今回、5ケースを100%値引き、119ケースを50%値引きすることで問題が解決しました。
今回の検査中に、破損によるラベルの汚れ以外に、ラベルを貼る位置のズレや、ラベルの粘着部分にゴミが付着しているなど別の問題も発見されました。
国民性の違いや会社の考え方の違いにより外装梱包は完璧が必要だとか、中身が大切だと言い分はあるでしょうが、お金を出して購入する消費者のニーズに合わせることが一番の近道です。
今回のケースでは、両者で再度契約内容を見直し今でも貿易が続いているようです。
貿易を開始するに至るまでに要した時間と費用がトラブルにより無駄になるより、第三者検査を入れ、ビジネスライクに解決することで取引を継続できるほうが有益です。